型枠にはどんな種類がある?型枠工事の種類・工法を徹底解説!

建物の建設において、重要な役割を果たす型枠工事。コンクリート構造物の品質や耐久性を左右するため、適切な型枠を選ぶことは非常に重要です。

しかし、型枠にはいくつも種類があるため、馴染みのない方にとっては難しく感じるかもしれません。

そこで、今回は、建設現場でよくある代表的な型枠の種類や、型枠工事の工法、特徴などを丁寧に解説していきます。

型枠工事の種類について興味を持った方は是非参考にしてください。

なお、「そもそも、型枠工事とは?」ということが知りたい方は、以下のページからご覧ください。

>>型枠工事とは|岐阜県で型枠工事ならタツエイにお任せ!

型枠工事のご相談はこちら↓
>>岐阜県で型枠工事ならタツエイ!

目次

型枠にはどんな種類がある?代表的な5つの型枠工事

型枠には多くの種類と工法がありますが、まずは建設現場で頻出する代表的な5種類の型枠工事を紹介します。

代表的な型枠の種類5選
  • 一般型枠(標準型枠)
  • 化粧打ち放し型枠
  • システム型枠
  • 特殊形状型枠
  • 新素材型枠

①:一般型枠(標準型枠)

一般型枠とは、建築や土木工事でコンクリート構造物を形成するために使用される標準的な型枠工事のことをいいます。コンクリートを所定の形状に保つための一時的な構造物で、コンクリートが硬化した後に取り外されます

主な使用用途としては、住宅の基礎工事(壁、床、梁、柱)や、商業ビル、オフィスビルの構造部分、橋梁や高架道路、ダムや水門などの土木構造物などがあり、幅広い構造物に使用されます。

一般型枠の特徴としては、多くの構造物に使用されていることや、型枠材は複数回の再利用ができるため比較的コストが抑えられるという点です。

まずは、一般型枠が標準的な型枠工事の種類であることを認識しておきましょう。

②:化粧打ち放し型枠

化粧打ち放し型枠とは、建築物のコンクリート打設後に型枠を取り外した際に、コンクリート表面がそのまま仕上げとなる型枠工事のことです。

これは、コンクリートの質感をそのまま見せるため、特に美観が重視される建物や構造物に使用されます。

例えば、美術館、商業施設、公共施設、デザイン住宅など、建築物のデザイン性が重要視される場面でよく使われる型枠工事の種類だといえます。

化粧打ち放し型枠の特徴
  • デザイン性のある美しい仕上がり
  • 塗装などの追加仕上が不要
  • 熟練した施工技術や経験が必要
  • 通常よりもコストが高くなる

化粧打ち放し型枠は、コンクリートの自然の質感を活かして優れたデザイン性を表現できますが、その分型枠材の選定から施工技術まで高い技術力が求められます。

そのため、通常の型枠工事よりもコストが高くなる傾向にあります。

化粧打ち放し型枠は、デザイン性を重視した建造物に最適だと覚えておきましょう。

打ち放し型枠については、以下の記事で詳しく解説しているのでそちらもぜひご覧ください。

あわせて読みたい
打ち放し型枠とは?施工やコンクリート化粧打放し型枠との違いを解説 コンクリートの建造物の外観や内装において、打ち放し型枠は重要な役割を果たします。 打ち放し型枠には、化粧打ち放し型枠、コンクリート化粧打放し型枠、コンクリート...

③:システム型枠

システム型枠は、あらかじめ工場で製作した標準化された部材を組み合わせて使用する型枠工法です。

型枠の組み立てや解体が迅速で簡単に行えるように設計されており、再利用が可能なことからコストも抑えられるため、トンネルや地下構造物など大規模な建設プロジェクトにおける型枠工事に適しています。

システム型枠の中にもいくつか種類があります。

システム型枠の種類
壁型枠システム

壁や柱などの垂直面を形成するための型枠システム。大きなパネルを組み合わせて使用します。

床型枠システム

床や天井などの水平面を形成するための型枠システム。支保工と床パネルを組み合わせて使用します。

トンネル型枠システム

トンネルや地下構造物を形成するための型枠システム。アーチ型のパネルを使用します。

システム型枠は通常、鋼やアルミニウムなどの素材が使用されるため耐久性があり繰り返し使用することができます。

そのため、長期的にはコストが抑えられる上に、安全性にも長けていることからトンネルや高層ビルの建設、大規模住宅地の開発、商業施設の建設など多くの大規模な工事の現場で使用されています。

④:特殊形状型枠

特殊形状型枠は、特殊な形状やデザインが求められる場合に使用される型枠です。

通常の直線的でシンプルな形状の型枠では対応できないような曲線やアーチ、円形、波形、異形断面など、複雑な形状のコンクリート構造物を作ることができます。

使用用途としては、美術館や劇場、商業施設、アート作品、モニュメント、トンネル、ダムなどで必要な場合に用いられます。

特殊形状型枠にはいくつか種類があるため、プロジェクトに応じて最適な形で工事を行います。

特殊形状型枠の種類
FRP型枠(繊維強化プラスチック)

FRP型枠は、繊維強化プラスチックを素材とした型枠で、軽量かつ高強度が特徴です。曲面や自由な形状を作るのに適しています。

メタルフォーム

メタルフォームは、金属製の型枠で、耐久性が高く、再利用が容易です。特に高層建築物や大規模なコンクリート構造物に適しています。

特殊形状型枠はオリジナルで設計や製造が必要になるため、通常よりもコストが高く、準備期間が長く必要になります。

その分、建設物に適したデザイン性のある仕上がりになるため、現在でも広く使われている工法になります。

⑤:新素材型枠

新素材型枠とは、従来の木製型枠や金属製型枠に代わる新しい素材を使用した型枠のことです。

これらの新素材は、軽量で耐久性が高く、再利用が可能であることが多いです。また、施工性の向上や環境への負荷軽減といったメリットもあります。

主に、環境配慮が必要な建築物や、高層ビルなどの軽量な型枠の方が適している場合に使用されます。

新素材型枠と言われるものにはいくつか種類があります。

新素材型枠の種類
プラスチック型枠

高密度ポリエチレン(HDPE)やポリプロピレン(PP)などの素材で、軽量かつ耐久性があり再利用が可能です。取り扱いが容易で、コンクリートとの離型性が良いことが特徴です。

アルミ型枠

素材はアルミニウム合金でできており、軽量で錆びにくいため長寿命です。再利用回数が多く、リサイクル性にも優れています。

FRP型枠(Fiber Reinforced Plastic)

高強度で耐久性があり、複雑な形状にも対応可能です。軽量で持ち運びが容易なことも特徴です。

ラス型枠

金網を使用した型枠で、軽量かつ高強度です。特に曲面の施工に適しています。

ダブルライト型枠

ダブルライト型枠は、軽量コンクリートを素材とした型枠で、断熱性や耐火性に優れています。住宅建築に多く用いられます。

押出成形セメント板打込型枠

押出成形セメント板打込型枠は、セメント板を押出成形して作る型枠で、均一な品質と高い強度が特徴です。

新素材型枠は従来の型枠と比べて初期導入コストが高い傾向にありますが、長期的なコスト削減や施工効率、環境配慮の面から近年では注目されている型枠の種類といえるでしょう。

その他の型枠工事の種類と工法をまとめて紹介

上記の代表的な型枠工事以外にも、さまざまな型枠工法があります。以下に、その一部をまとめてご紹介します。

プレキャスト型枠(PC工法)

プレキャスト型枠は、工場であらかじめ製造されたコンクリート製品を現場に運び、組み立てる工法です。この工法は、現場での作業時間を短縮し、品質を確保するために使用されます。

プレキャスト型枠は現場での作業が短くなるため安全性が高まり、かつ工場での製造により品質管理が徹底されることで高品質な型枠工事である点がメリットです。

一方で、工場で製造する仕組み作りや、大型の部材を運ぶ輸送コストがかかってしまう点はデメリットだといえるでしょう。

スライプフォーム工法(滑り型枠)

スライプフォーム工法(滑り型枠)は、垂直構造物(煙突や高層ビルのコア部分など)のコンクリートを連続的に打設する際に使用される工法です。

この工法では、型枠を少しずつ上に移動させながらコンクリートを打設するため、作業が効率的に進みます。

一方で、当然ながら専用の設備などの初期投資が必要となるためコストが高くなってしまったり、高度な技術力が必要になるでしょう。

可動式型枠

可動式型枠は、型枠を動かしながらコンクリートを打設する工法です。特に橋梁やトンネルの施工で用いられます。

型枠の部品を組み替えることで、異なる形状やサイズの構造物を作ることができるため、柱や壁など、さまざまな形状のコンクリート構造物を建設できます。

曲面型枠

曲面型枠は、コンクリートを曲面状に成形するための型枠です。

通常の直線的な形状ではなく、曲線や円弧などの曲面を持つコンクリート構造物を建設する際に使用されます。

これにより、建築物や構造物のデザイン性や美しさを表現することできます。

吊り型枠

吊り型枠は、建築現場でコンクリートを打設する際に使用される型枠の一種です。

この型枠は、床や天井などの構造物の形成に使用される型枠で、型枠を鉄筋やワイヤーロープで吊り下げて空中でコンクリートを流し込んで形成します。

主に、天井の打設や床スラブの打設、床板のコンクリート打設時に利用され、構造物の底面を作るのに適しています。

ノンセパ工法

ノンセパ工法は、主に河川や湖沼、海などの水中において、水を完全に遮断しながら建設工事を行うための型枠工法です。

これは、水中でのコンクリートの打設を可能にするため、水を完全に遮断できる特殊な型枠やシーリング技術を使用します。

ノンセパ工法を用いることで、橋梁や堤防、防波堤、水門、船舶施設などの水中構造物の建設が可能になります。

まとめ:型枠工事の種類と工法を徹底解説!

今回は、型枠工事の種類と工法を徹底解説しました。

型枠工事にはさまざまな種類と工法があり、それぞれに特徴や利点があります。そのため、建設プロジェクトの規模や目的に応じて、最適な型枠を選ぶことが重要です。

本記事では代表的な型枠工事とその他の工法を紹介しましたが、最新の技術や素材も次々と登場しており、日々進化しています。これからも型枠工事の動向に注目し、適切な選択と施工を行っていきましょう。

以上、型枠の種類と工法についての解説でした。

型枠工事に関するご相談や、型枠大工の仕事に興味がある方は弊社のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

>>岐阜県で型枠工事ならタツエイにお任せ!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

岐阜県で型枠工事ならタツエイにお任せ下さい。岐阜県を中心に、東海地区で型枠工事を行なっております。愛知県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県で型枠工事業者をお探しの企業様はぜひご相談下さい。

目次