型枠解体とは?型枠解体の手順やばらしの時期を徹底解説

型枠工事において欠かせない工程の1つに「型枠解体」があります。

型枠解体とは、型枠工事において型枠に生コンクリートを流し込み、十分な強度で固まった後に型枠を取り外す作業のことです。

しかし、型枠解体は難易度が高い施工の1つです。型枠を取り外す手順やタイミングを間違えると、コンクリートが破損したり剥がれたりするため注意が必要です。

そこで今回は、型枠解体の手順と型枠を取り外す時期について詳しく解説します。

なお、「そもそも、型枠工事とは?」ということが知りたい方は、以下のページからご覧ください。

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目次

型枠解体(ばらし)とは?型枠解体の仕事内容

型枠解体とは、型枠工事の最後の工程で、コンクリートが十分な強度を得た段階で、取り付けた型枠を取り外す作業のことです。

型枠は、コンクリートが固まるまでの間その形を保持するために使用されるので、コンクリートが固まった段階で取り外す必要があります。

型枠解体の役割は、コンクリートが破損しないように気をつけながら、スムーズかつ安全に型枠を取り外すことです。

型枠解体の流れを7つの手順で解説

次は、型枠解体の工事の順序を7つの手順で解説します。

型枠解体の7つの順序
  1. 現場の安全確認と解体準備
  2. 単管パイプやチェーンなど金物の取り外し
  3. 型枠支保工の取り外し
  4. 壁の型枠の解体(壁の脱型)
  5. 梁型枠(梁側・梁底)の解体
  6. スラブ型枠(天井スラブ・床版)の解体
  7. 資材の搬出・清掃・引き渡し

1つずつ解説していきます。

①:現場の安全確認と解体準備

型枠の解体作業を開始する前に、現場の安全確認を行い解体に必要な準備を行います。

具体的には、バールやハンマー、釘抜き(クランプ)、電動ドリルなど、型枠の取り外しに必要な器具を準備しておきましょう。

また、ばらした後の機材などはしっかりと整理整頓をしておくことも大切です。解体した後の部材が残っていると、後々の工事に影響する恐れがあるからです。

解体工事を行う前の確認として最も重要なのが、コンクリートの強度の確認です。

コンクリートが適切な強度を得た段階でスピーディに型枠を取り外していくことが大切になります。

コンクリートの強度が緩かったり、強すぎたりすると、型枠を取り外す段階でコンクリートの破損に繋がる恐れがあります。

しっかりと事前に確認しておきましょう。

②:単管パイプやチェーンなど金物の取り外し

型枠解体の最初の工程として、まずは型枠を支えるために使用された単管パイプやチェーンなどの金物を取り外します。

パイプレンチやスパナを使って単管パイプを解体します。さらに、チェーンやワイヤーで固定されている部分をカッターやボトルカッターなどを使い取り外します。

これにより、型枠本体を解体する準備を整えます。

③:型枠支保工の取り外し

続いて、型枠支保工の取り外しを行います。

型枠支保工とは、型枠を支えるための仮設構造で、コンクリートが十分な硬度を持つまで支柱や水平材、斜め材などで組まれているものです。

スパナやレンチを使って支保工のボルトやナットを緩めます。そして、支保工が外れると型枠が不安定になるため、慎重に支保工を取り外します。

支保工が外れた後、型枠が落下しないように注意しておきましょう。

なお、型枠支保工については以下の記事で詳しく解説しているので、そちらも参考にしてください。

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④:壁の型枠の解体(壁の脱型)

次に、壁の型枠を解体します。この作業を「壁の脱型」といいます。

バールやハンマーを使って、壁の型枠を上から下に向けて順次取り外します。釘や固定具も丁寧に抜き、型枠を少しずつ剥がします。

この際、コンクリートの剥離や損傷がないかを確認しながら作業を進めましょう。

⑤:梁型枠(梁側・梁底)の解体

続いて、梁の型枠を解体します。梁側と梁底の型枠の両方を指します。

まず、梁の側面に設置された型枠を取り外します。バールや釘抜きを使って、釘やビスを抜き、型枠を取り外します。

次に、梁の底面に設置された型枠を取り外します。こちらも同様にバールや釘抜きを使用しながら、丁寧に型枠を解体していきましょう。

⑥:スラブ型枠(天井スラブ・床版)の解体

次は、スラブ型枠を解体していきます。これは天井スラブや床版に使用される型枠です。

天井スラブの型枠解体については、天井に設置された型枠を外します。支保工を外し、バールやハンマーを使って型枠を解体していきます。

天井スラブの解体は、場合によっては高所作業となるため安全ベルト(ハーネス)を着用し、落下防止の対策を徹底します。

また、天井スラブの型枠を解体する際は、コンクリートの強度には特に注意しましょう。強度が不足している場合は、型枠を取り外すと天井スラブが崩壊する危険があるためです。

続いて、床版の型枠解体については、床に設置された型枠を外していきます。こちらもコンクリートが十分に固まっていることを確認しながら進めます。

⑦:資材の搬出・清掃・引き渡し

最後に、解体した型枠やその他の資材を撤去し、現場を清掃して、次の工程に備えます。

解体した型枠や金物を現場から搬出します。リサイクルできる資材があれば分別してリサイクルします。

また、解体作業で発生したゴミや粉塵を清掃し、現場をきれいにします。

次の業者がいる場合は、現場を清掃した後に引き渡します。

なお、型枠解体だけでなく、型枠工事全体の流れについては以下の記事で詳しく解説しています。

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型枠解体の解体(ばらし)の時期や適切な強度とは?

型枠解体は、コンクリートが十分な強度を持つまで待つことが重要です。

コンクリートが十分に固まるまでの型枠を外すと、建造物の崩壊の恐れやひび割れ、表面の損傷など様々なリスクがあります。

また、反対にコンクリートが固まりすぎてから型枠を取り外すと、そもそも型枠の取り外しができなかったり、コンクリートや型枠が損傷してしまう恐れがあります。

型枠解体を行うためのコンクリートの強度の目安としては、以下となります。

一般的には、コンクリート打設から3日から7日程度が目安です。

夏のような暑い気候では3日や4日程度で必要な強度になることもあれば、冬などの低音環境ではさらに日数が延びることもあります。

また、垂直型枠か水平型枠かでも日数に差が出ます。垂直型枠は水平型枠よりも解体までの日数が短いとされています。

上記のように、型枠をばらして良い時期、タイミングというのは環境や状況によって、その都度変わるため一概には言えません。

その現場における環境で判断したり、現場監督と確認しながら解体を進めるようにしましょう。

型枠解体に関するよくある疑問

最後に、型枠解体工事に関するよくある疑問や質問に回答していきます。

コンクリート型枠の取り外し時期は?

コンクリート型枠を取り外す時期は、コンクリートを流し込んでから3日から1週間程度です。

ただし、現場の気温やあらゆる状況によって、日数は変わってきます。そのため、現場の責任者に判断を仰ぐようにしましょう。

スラブ型枠の解体時期の強度は?

スラブ型枠の解体時期の強度については、一般的な環境下ではコンクリート打設後14日程度が目安です。

ただし、具体的な日数は温度や湿度、使用するコンクリートの種類や強度によって異なります。

実際の現場で解体を行う場合は、現場の責任者と相談しながら進めるようにしましょう。

型枠解体工を職業にするメリットやデメリットは?

型枠解体を職業にする場合は、どのようなメリットやデメリットがあるか解説いたします。

型枠解体工のメリット
  • 需要が安定している
  • 専門的な手に職を得られる
  • 年収・給与が高い傾向にある

型枠解体工を仕事にする大きなメリットとしては、需要が安定している点です。

建物を建てる際に、型枠工事は必要になるため、この先も仕事に困ることはないでしょう。また、人手不足の業界でもあるので、給与が高くなる傾向にあります。

長期的に考えても専門的な知識を得られるため、市場価値が高い仕事だと言えるでしょう。

型枠解体工のデメリット
  • 労働環境が過酷
  • 体力的な負担
  • 安全性における懸念

一方で、型枠解体工を職業にするデメリットは、肉体的な負担です。

工事現場での仕事となるため、過酷な労働環境の中で、1日中屋外で仕事をしたり、重い機材を運んだりと肉体的な負担は計り知れません。

また、どれだけ安全対策をしていても現場で事故が発生してしまう心配も常にあります。

メリットやデメリット、自分の適性を考えた上で職業を選びましょう。

まとめ:型枠解体とは?型枠解体の手順やばらしの時期を解説

今回は、型枠解体の進め方や、解体の注意点、解体のタイミングについて解説しました。

型枠解体は、現場の安全確認と準備から始まり、金物や支保工の取り外し、壁・梁・スラブの型枠解体、そして最後の資材搬出・清掃・引き渡しまでの一連の流れで進行します。

各ステップでの適切な作業と安全管理が、作業の効率と現場の安全を確保する鍵となります。

今回の記事を参考に、型枠解体工事に活かしていただけますと幸いです。

型枠工事に関するご相談や、型枠大工の仕事に興味がある方は弊社のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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この記事を書いた人

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