型枠の建て込みとは?型枠工事で建て込みを行う手順やポイントを解説

「型枠の建て込みとは?」
「型枠工事の建て込みを行う際のポイントは?」
「建て込みの精度の許容範囲はどのくらい?」

上記のような疑問はありませんか?

型枠建て込みは、型枠工事において重要な工程の1つです。しかしながら、型枠建て込みについて詳しく書かれた記事はありません。

そこで今回は、型枠工事の建て込みについて詳しく解説していきます。

なお、「そもそも、型枠工事とは?」ということが知りたい方は、以下のページからご覧ください。

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目次

型枠工事における「建て込み」とは?

型枠建て込みとは、コンクリート構造物を建設する際に、コンクリートを流し込むための型枠を設置する工程を指します。

この型枠は、コンクリートが硬化するまでの間、コンクリートの形状を維持するために使用されるため、精度が求められる非常に重要な工程だといえます。

水平器やレーザーレベルを使用して、型枠の水平・垂直を確認しながら慎重に進めます。建て込みが甘いと建造物の完成時に大きなズレが発生してしまう可能性があるため注意が必要です。

型枠は木材、鋼材、合板、プラスチックなどで作られ、建設現場や構造物の種類によって適切な材料が選ばれます。

型枠建て込みを行う際は、事前準備をしっかりと行い、現場監督の指示を仰ぎながら適切な作業を実施しましょう。

型枠の建て込みを行う際の5つのポイント

続いて、型枠工事で建て込みを行う際に、重視すべきポイントをご紹介します。

型枠建て込みを行う5つのポイント
  1. 設計図の正確な確認
  2. 必要な材料の準備
  3. 正確な組み立て作業
  4. 適切な補強
  5. 隙間や漏れの防止

1つずつ解説していきます。

①:設計図の正確な確認

まずは、設計図を詳細に確認し、型枠の形状、寸法、設置場所を正確に把握します。

建て込みでは、型枠の位置を正確に設置し組み立てる必要があるため、設計図を正確に読み取ることができなければいけません。

設計図通りに施工することで、コンクリート構造物が設計の強度や寸法を確実に満たすことができます。

②:必要な材料の準備

型枠材(木材、鋼材、合板、プラスチックなど)の品質を確認し、必要な数量を確保します。

また、支柱や補強材、組み立てに使う器具なども忘れないように準備しておきましょう、

材料が不足したり品質が悪いと、型枠が崩れたり、コンクリートが漏れる原因になるため注意が必要です。

③:正確な組み立て作業

墨出しや敷桟(しきざん)によって現場にマーキングされた所定の位置に、型枠を適切に設置し組み立てていきます。

その際、水平器やレーザーレベルを使用して、型枠の水平・垂直を確認しましょう。位置や寸法がずれてしまうと、コンクリートの形状や強度に影響を与えるため、慎重に行うことが大切です。

レーザーレベルの他にもトータルステーションなどの精密測定機器を使用して、型枠の位置や高さを正確に設定します。

この作業が建て込みにおいて最も重要だと言っても過言ではありません。

ミリ単位で組み立てていく必要があるので、重要な工程だといえるでしょう。

④:適切な補強

組み立てが完了したら、型枠がコンクリートの圧力に耐えられるように、補強材タイバーやブレースなど)を適切に配置します。

特に高い壁や大きな構造物では、型枠が変形しないように十分な補強が重要になります。

補強が不十分だと、型枠が崩壊するリスクがあるので1つ1つ丁寧に確認しながら、補強を行いましょう。

⑤:隙間や漏れの防止

補強が完了すれば、最後は型枠の隙間や接合部をシーリング材で密閉し、コンクリートが漏れないようにします。

仮に、設置した型枠の隙間からコンクリートが漏れてしまうと、構造物の強度が低下するだけでなく、施工中に問題が発生する可能性があります。

特に接合部や角の部分に注意しながら、しっかりと密閉するように心がけましょう。

型枠の設置が完了した後、再度全体を確認します。設計図通りに設置されているか、強度に問題がないか、隙間がないかをチェックします。

不備があれば修正し、全てが問題ないことを確認してからコンクリートの打設に進みます。

以上が型枠建て込みの具体的な流れでした。

型枠工事の全体の流れについては、以下の記事で解説しているのでそちらも参考にしてもらえると理解が深まるでしょう。

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型枠建て込みに関するよくある疑問

最後に、型枠建て込みに関して、よくある疑問や質問に回答します。

型枠建て込みで許容される精度は?

型枠建て込みにおける許容精度は、国や地域の建築基準、構造物の種類や用途、そして設計者や施工者の規定によって異なりますが、一般的には以下のような精度が求められます。

型枠建て込みの精度
水平方向の精度
  • 一般的な構造物:±10mm以内
  • 高精度が求められる構造物(例:機械基礎、特定の産業施設):±5mm以内
垂直方向の精度
  • 一般的な構造物:高さ1mあたり±5mm以内
  • 高精度が求められる構造物:高さ1mあたり±3mm以内
位置精度
  • 基礎や壁の位置:±10mm以内
  • 柱や梁の位置:±5mm以内
寸法精度
  • 長さ、幅、高さ:±10mm以内
  • 開口部や仕上げの重要な寸法:±5mm以内

これらの精度基準を遵守することで、設計通りの品質を持つコンクリート構造物を実現することができます。

ですが、上記はあくまで目安です。基本的には、設計図通り限りなく誤差±0mmを目指して施工します。

型枠工事の施工現場では常にこれらの基準を念頭に置き、精度を確保するための努力が求められます。

壁型枠の建て込みのポイントは?

壁型枠の建て込みとは、コンクリート壁を形成するために、コンクリートを流し込むための型枠を組み立てる作業のことを指します。

壁型枠の建て込みを行う際のポイントは、側面型枠をしっかりと固定することが大切です。

側面型枠を設置する際には、設計図に基づいて寸法を測り、垂直方向を確認します。そして、垂直度を保つために水平器を使用します。

その上で、しっかりと固定しながら組み立てていき、均等な釘打ちと強度の確認をしながら、慎重に進めましょう。

建て込みの釘打ちとは?

型枠建て込みにおける「釘打ち」とは、型枠を組み立てる際に木材などの型枠材を固定するために釘を打ち込む作業を指します。

釘打ちは、型枠がコンクリートの重さや圧力に耐えられるようにしっかりと組み立てられるために重要な工程です。

釘打ち機を使いながら慎重に進めていきましょう。

まとめ:型枠工事における建て込みについて解説!

今回は、型枠工事における建て込みについて解説しました。

型枠建て込みは、コンクリート構造物の品質と強度を確保するために欠かせない工程であり、適切に行うことで建物の耐久性や美観に大きな影響を与えます。

関連記事として、基礎型枠の組み方については以下の記事で解説しています。

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