型枠工事を安全に行うための注意点とは?施工会社を選ぶ留意点も解説
型枠工事は、建物の建設において、基礎を固める重要な役割を果たします。
型枠工事で失敗してしまうと、建物全体の強度が落ちてしまったり、建物自体が歪んでしまったりするためです。
そして、型枠工事を安全かつ適切に施工するためには、いくつもの注意点に気を付ける必要があります。
そこで今回は、型枠工事における注意点や施工会社を選ぶときの留意点を説明します。
型枠工事に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
なお、「そもそも、型枠工事とは?」ということが知りたい方は、以下のページからご覧ください。
型枠工事を安全に行うための注意点3つ
まず、型枠工事を安全に行うための注意点を3つ紹介します。
- 適切な部材の管理を行う
- 転落事故に気を付ける
- 工具は適切に使用する
1つずつ解説していきます。
注意点①:適切な部材の管理を行う
型枠工事の際は、適切な部材の管理を行うことが必要不可欠です。
- 種類やサイズごとに分類して保管
- 水や汚れから守るためにシートやビニールで覆う
- 積み上げる際は安定した場所を選ぶ
型枠工事に使う部材の多くは、木材や鉄骨ですので、運搬時や加工時に、破損や散乱の可能性があります。
そのため、種類やサイズごとに分類することで、運搬や保管がしやすくなり、作業の効率化も向上するでしょう。
また、コンクリートの質が落ちてしまうと強度に関わってきますので、水や汚れには十分に注意しましょう。保管をする際は、シートやビニールで覆うなどの対策を行ってください。
部材を保管する場所も、安全な場所に積み上げて、倒れたり転がったりしない工夫が必要です。
注意点②:転落事故に気を付ける
型枠工事では、高所での作業も発生するため、転落事故の危険があります。
- 墜落制止用器具(安全帯)やヘルメットの着用
- 足場やはしごの固定は確実に
- 作業場から離れるときは必ず手すりやロープに捕まる
- 作業台から落ちそうなものは落ちない工夫をする
必ず墜落制止用器具(安全帯)とヘルメットを着用し、足場やはしごなどはしっかり固定することが重要です。高所を移動したり、離れたりする際は手すりやロープを掴んで移動しましょう。
1つ1つの小さな心がけで、作業は安全にできます。
また、人だけでなく工具などのものの落下にも注意しなければなりません。
仮にものが落下した先に人がいた場合、大きな事故にも繋がります。網やネットで覆うなどの工夫を徹底しましょう。
注意点③:工具は適切に使用する
型枠工事では、危険防止のために工具を適切に使用することも重要です。
- 工具を使う前は破損や錆がないか確認
- 電源のオンオフの確認
型枠工事では、電動のこぎりやハンマーなど一歩間違えると大怪我に繋がる工具も必需品です。
安全に作業を進めるためには、工具の使い方をしっかり把握し正しく使いましょう。
また、使用前には破損や錆はないか必ずチェックし、電源のオンオフの確認もしてください。些細な破損でも大怪我に繋がる可能性は十分にあることを忘れず、安全な作業を行いましょう。
型枠工事における各工程の注意点とは
型枠工事には、いくつもの工程があります。各工程ごとの注意点をまとめました。
墨出しにおける注意点
墨出しを行う際の注意点を紹介します。
- 正確さを重視
- 組織的な行動
墨出しとは、建物を建設するために基準となる線やポイントを現場に実際に書き込む作業のことです。
そのため、細かな正確さが求められます。墨出しの時点で少しでも数値が狂うと建物全体に誤差ができ、強度の問題にも関わります。したがって、誤差がでないように慎重に作業する必要があります。
また、責任者を決めて組織的に行動する必要があります。作業員や使用する道具が異なることで誤差に繋がる可能性があります。
1人1人が注意をし、チームとして責任感を持って作業しましょう。
コンクリート打設における注意点
コンクリート打設の注意点を紹介します。
- 清潔な状態を保つ
- コンクリートに水を加えない
- 雨天時の作業は避ける
- 適切な時間で作業する
コンクリート打設をする際は、必ずゴミなどの不純物が混ざらないようにしましょう。
なぜなら、ゴミや作業中に出た針金が混ざることで、建物の強度が下がる可能性が考えられるからです。
作業のミスを防ぐため、建物の強度を守るためにもきれいな状態を保つよう心がけましょう。
また、コンクリートは工場で適切な状態に調整されているため、水を加えてはいけません。
水が加わることで、仕上がりが悪くなり建物の強度も下がります。そのため、水分や泥が混ざる可能性がある雨天時の作業も避けましょう。
コンクリートは固まるのに時間がかかりますが、工場で調整を終えた時点から徐々に硬化が始まります。ミキサー車で運搬している最中も硬化が進んでいるので、高い品質を保つために運搬時間にも配慮が必要です。
一般的に工場を出発してから打設が完了するまでに、25℃以上の日は90分以内、25℃以下の日は120分以内が適切といわれています。
コンクリート打設は、丁寧さに加え素早さも必要な作業といえるでしょう。
型枠設置における注意点
型枠設置の際の注意点を紹介します。
- 振動に注意
- 金具は締めすぎない
型枠工事では、コンクリート内の気泡を防ぐために、高周波の振動を加えるコンクリートバイブレーターという機械を使用します。
そのため、型枠をしっかり固定していないと振動で金具が緩む可能性があります。金具が緩むと仕上がりに悪影響がでますので、しっかり固定ができているか確認しましょう。
ただし、金具の締めすぎにも注意が必要です。強引に締めすぎることで、コンクリートにへこみができるなど、仕上がりが悪くなることもあります。
型枠工事の施工会社を選ぶ際の留意点3つ
型枠工事の施工会社を選ぶ際の留意点を3つまとめましたので、紹介します。
- 施工事例が多い実績のある企業を選ぶ
- 臨機応変に対応してくれる企業を選ぶ
- 安全管理体制が定まっている企業を選ぶ
それぞれ解説していきます。
施工事例が多い実績のある企業を選ぶ
型枠工事を依頼するなら、施工事例が多い実績のある企業を選びましょう。
施工事例が多く実績がある会社は、熟練の職人が揃っているといえます。型枠工事は、専門的な知識や技術が必要な建物の建設に対して重要な作業です。
やみくもに業者を選ぶのではなく、ホームページや口コミなどで施工事例などの実績を確認した上で信頼できる業者に依頼することが大切です。
多くの実績がある会社なら安心して依頼できるでしょう。
臨機応変に対応してくれる企業を選ぶ
型枠工事をお願いするときは、臨機応変に要望を聞いて対応してくれる企業を選びましょう。
型枠工事は、一定期間で行われます。作業工程や工事の期間などのさまざまな要望を、依頼主から言われることもあるでしょう。
要望に柔軟に対応でき、また天候などにも配慮して臨機応変に対応してくれる会社なら安心して作業を託せます。
安全管理体制が定まっている企業を選ぶ
安全管理体制が定まっている企業を選ぶことも、型枠工事の依頼では重要です。
建設現場には危険がたくさん潜んでいます。危機管理が不足している会社に型枠工事を依頼することで、重大な事故を起こし、作業の中断や大きな代償を支払う可能性もあります。
危機管理を徹底し、安全な管理体制で作業が行われているのかをチェックするのも大事でしょう。
まとめ:型枠工事の注意点を守る適正業者に依頼しよう
今回は、型枠工事の注意点と業者を選ぶ際の留意点を解説しました。
型枠工事は、建物の建設に重要な役割を果たすとともに、危険や注意するべき点がいくつかあります。
その注意点を守り、安全な管理体制で作業を行う業者を正しく選ぶことは、今後の工事に大きく関わってきます。
今回の型枠工事の注意点と、業者を選ぶ際の留意点をしっかり把握し、安全で安心のできる工事を行いましょう。
型枠工事に関するご相談や、型枠大工の仕事に興味がある方は弊社のお問い合わせフォームよりご連絡ください。